ものぐさ旅日記

ふらーっと出かけて いろいろ書きます 

光と影23


前回の吉原遊女の一生で


なんと言ってもバッドエンドの一番は年季中の病死で


先の永井義男氏の著書によると



出養生(吉原を出て寮に入り治療に専念する)ができる遊女は


稼ぎの良い限られた花魁のみであった


しかしそれとて費用は本人持ちであった



盛りを過ぎた者、稼ぎの悪い遊女は行灯部屋などに押しやられ


投薬等もなく病勢のなすがまま


いよいよとなれば出身が近郷であれば親を呼び寄せ


勿体付けて 年季はチャラにしてやるので看取ってやんなせえと


引き取らせた  


妓楼内で死人が出ることは困るので厄介払いの様であった



縁者が遠方であれば伝えようもなく


亡くなれば菰(こも)に巻き浄閑寺へということになる




古句より



早桶や 禿ひとりが みおくりて



早桶は死人が出てから組み立てる急こしらえの座棺


禿はかむろ 遊郭が引き取った幼女 遊女の予備軍


亡くなった遊女によくなついていたのだろう


禿が一人見送る旅立ちであった